友達

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「これが宿題。楓花算数きらい」 「へぇ、掛け算か。懐かしいな」 楓花ちゃんが見せてくれたプリントには、20問くらいの掛け算の問題が書いてある。 「最近の問題ってこんなのなんだな。俺らの時にもあったかな?」 掛け算事態は九九を知っていれば簡単に出来る問題だけど、イコールの後の答えを書く問題じゃなくかける数やかけられる数が四角に空いていて、それを埋める問題になっている。 楓花ちゃんは九九が覚えきれてないんだろうな。7の段や9の段の問題が苦手そうだ。 「楓花ちゃんは九九は好き?」 「あんまり。途中で分からなくなる時があるの」 「そっか。7と9の段、俺と一緒に言ってみようか」 「いいよ。ヒチイチガヒチ、ヒチニジュウシ……」 一生懸命で可愛いな。素直で何でも一生懸命な所が一穂に似てる。一穂も小さいときはこんな感じだったのかな。 「終わった。楓花、ちゃんと言えたよ」 「そうだね。すごい。じゃあ、この問題なんだけど、7×カッコが21だよね。じゃあ、7の段で21になるのを見つけてみよう。できるかな?」 「やってみる。………あっわかった。ヒチサンだ」 「すごい。じゃあここの答えは?」 「3」 「当たり」 楓花ちゃんが嬉しそうに言った。 こんなまどろっこしい遣り方が正解なのか分からない。本当はもっと早い遣り方があるのかもしれない。 大丈夫かな……と心配になり一穂を見るとニコニコしているからいいことにする。 「次行くよ。四角×9が54。じゃあ9の段で54になるのは何かな?」 「うーんと、クイチガ……。分かった、6だ。答えは6」 「大当たり。楓花ちゃんすごいね」 「うん。次は1人でやってみる」
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