友達

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「へえ、綺麗にしてるな」 「そう?冬樹の部屋はどんな感じ?」 「本がベッドの上に散らかってるよ」 俺の言葉に一穂が目を輝かせる。 「本読むの?どんな本?」 「推理小説とかかな。それと話題の本も。本屋に積んであるとつい買ってしまうんだよ」 そう言えば、一穂と趣味の話とかしたことなかったな。 「一穂は家で何をしてるんだ?」 「え、僕?ゲームしたり、マンガ読んだり、小説もたまに読むよ」 一穂の視線の先の本棚には、俺も読んだ小説が並べてある。 「あ、これ面白いよな」 「うん。最後の最後であんな風に裏切られるとは思わなかった」 「そうそう。俺も騙されたよ。てっきりあのメガネの男が怪しいと思ってたんだけどな」 「僕は社長が怪しいんじゃないかと思ってた」 しばらく小説の話で盛り上がる。 「なんか楽しいな」 「うん」 今まで話題は専ら学校の事だったから、こんな風に好きな事を話すのは新鮮だ。 俺たちは「ご飯よ」と呼ばれるまで、お互いの好きなことについて話した。
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