467人が本棚に入れています
本棚に追加
「冬樹、次音楽だぞ。教室移動だるいなー」
正隆がため息を付きながら立ち上がった。最近やっと正隆と名前で呼べるようになった。油断するとすぐ川上と言ってしまうのだが。
「おーい、一穂も行くぞー」
「うん」
「俺は誘わないのかよ」
安藤……じゃなくて千景が正隆に文句を言っている。
「今から誘うつもりだったんだよ。なっ、冬樹」
「俺を巻き込むな。一穂、面倒くさいからほっといて行こう」
一穂は2人を気にしながらも俺の隣に並んだ。
俺達4人は相変わらずオトモダチとして過ごしている。昼食時には隣のクラスから田辺じゃなくて伸也もやってくる。
全快祝いの次の日、あんな風に帰ってきたから気まずいかなと思ったけれど、一穂の態度はいつもと全く変わらなかった。
━━気にしてたのは俺だけなんだな。
怒ってなくてほっとしたのは確かだが、なんだかモヤモヤとしながら1日過ごした。
最初のコメントを投稿しよう!