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会長……か。
なんだ、一穂も会長が好きだったんだ。
中庭で会長に会った時一穂が震えてる気がしたから、一穂は会長が苦手なのかと思ってた。だから、伸也にも好きじゃないって言ったのに。
ハハ、全部俺の勘違いだったんだ。
そう言えば会長は一穂を優しい目で見つめていた。
━━二人はとても親しいのかもしれないな。
「あれ、そんなにびっくりさせたかな?ごめん、ゆっくりでいいから考えてみて」
御影キャプテンは俺が勧誘されて驚いていると勘違いしているようだ。
「……はい」
「あまり考えすぎるなよ」
俺の肩にポンと手を置くと、キャプテンは離れていった。
教室に入ると、一穂と目が合った。
「冬樹おはよう」
「………おはよう」
いつもなら一言二言話をしてから席につくが今日はそんな気にならず、すぐに席に向かう。
悲しいような苦しいような悔しいような、そんなどうしようもない感情が沸き上がってくる。
━━俺は一体どうしたんだろう?
爪が食い込むほどぎゅっと手を握りしめていたことに気づき、落ち着くために深呼吸を繰り返した。
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