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昼食の時、何となく気になって一穂と伸也を見ていた。会長が好きだと言いきった伸也を一穂はどういう気持ちで見ていたんだろう?
━━辛かったのかな………
「何?」
じろじろ見すぎたのか、伸也がこっちを見た。
「いや、何でもない」
「何でもないわけないだろ。朝冬樹に好きな人がいるかって聞かれたんだ。もしかして冬樹にも好きな人がいるのか?」
正隆が要らないことをいいだした。ほんと、こいつ役に立たない……。
「川上うるさい」
「わぁ、呼び方戻ってる。もしかして、怒ってる?」
「お前がくだらないこというからな」
正隆が泣きそうな顔で謝ってくるが、許してやるもんか。
「冬樹ー」
「呼ぶなっ」
「そんなぁ。お前のこと心配してるだけなのに。皐月ちゃんの時みたいに辛そうな冬樹を見たくないし」
なんでこいつは………
「うるさい。皐月の事は言うな」
みんなが俺を見る。
このままじゃ、空気を悪くしてしまう。弁当を作ってくれた家族にも悪いよな。
「悪かった」
謝りながら席を立とうとした時に、一穂が俺の腕を掴んだ。
「待って。冬樹が気にしてるのは僕だよね?僕何かした?言ってくれないとわからないよ」
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