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口の前に出されたアスパラベーコンをパクリと食べる。
「旨い」
「だろっ」
正隆が自分の弁当のように自慢げに言うから、少し笑ってしまった。
さっきまでシュンとしてたのに、調子いいな。
「冬樹も旨いってさ」
「………ああ、うん」
「なんかちょっと嬉しそうだな。俺達に怒ったくせにさ」
正隆の指摘に伸也が苦笑いを浮かべた。
その時、腕の中で一穂がごそごそと動いた。
「あの、もう離して欲しい……」
「ごめん」
抱き締めたままだったの忘れてた。
ちょっと名残惜しく感じながら腕を解くと、顔だけじゃなく全身真っ赤になった一穂が潤んだ目で俺を見つめた。
━━可愛い。けど……
「えっ、あの、冬樹?」
こんな可愛い姿を他のやつには見せたくない。
俺は再び一穂を抱き締めて、腕の中に閉じ込めた。
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