初恋

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足を投げ出してベッドに持たれながら、2人でペットボトルのコーラを飲む。 「美味しい」 普段あまり炭酸を飲まない一穂も美味しそうに飲んでいる。飲み込む度に喉が動くのが堪らなく色っぽい。 「なぁ、さっきの……気持ち良かった?」 「………うん」 「キスとどっちが?」 からかってるのが分かったのか、一穂がそんなの知らないと拗ねた。 一穂がコーラの蓋を閉めたのを確認してから「機嫌直して」と腕を引くと、倒れてきた一穂の頭が俺の太ももに乗り膝枕をしている格好になった。 サラサラとした色の薄い柔らかい髪を撫でると、一穂が気持ち良さそうに目をつぶる。 しばらくまったりと過ごしていると、一穂が皐月の事を教えて欲しいと言った。 「いいよ」 俺は一穂の髪を撫でながら、初めて皐月に会った時から中3の別れまでを言葉を選びながゆっくりと話した。 「そっか。皐月さんは今どうしているの?」 「カナダ。父親の転勤について行っちゃったよ」 転勤は数年前から決まっていて、3年ほどなので当初は父親が単身赴任をする予定だった。 「皐月がカナダを選んだのは俺のせいだ」 ポツリと漏らすと、一穂が起き上がって俺を見た。 「違うよ。決めたのは皐月さんだよ。冬樹は全てを自分のせいにしすぎだ。皐月さんがいじめられていたのも、悪いのは冬樹じゃなくいじめていた人達なんだよ」 「………そうだな。ありがとう」 一穂に言われて、少しだけ気持ちが楽になった。
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