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でも、ソファーぐらいで驚いてはいけない。
授業は1人1台あるタブレットを使って行われるし、トイレは全てウォシュレットだし、食堂にはステーキなんていうメニューまである(高いから俺はほとんど行かないが)。図書室も蔵書数が半端なく、司書が常時在中している。
授業料もそれなりに高いが俺は特待生なので、タダなんだ。でないとこんな金持ち学校には通えない。
「紅茶とコーヒー、どっちがいい?」
「あっ、お構い無く。大丈夫です」
生徒会長にお茶を入れさせるなんてとんでもなくて断ると、俺も飲むから気にするなと言われコーヒーを頼んだ。
部屋の隅にポットとコーヒーメーカーがあり、ガガガという豆をひく音と共にいい香りが広がった。
「コーヒー好きなんだな?」
「はい。最近美味しさが分かってきたんです」
「そうか」
入れたてのコーヒーを俺の前に置いた会長は向かい合う席に座った。
「美味しいです」
「それは良かった」
優しく微笑んだ会長もコーヒーに口を付ける。
しばらく無言でコーヒーを飲みながら部屋を見回していると、会長がクスリと笑った。
「珍しい物なんて何も無いぞ」
「すみません。つい……」
「ハハハ。そんなに見なくても、来年は毎日来ることになるんじゃないのか?」
「えっ?」
驚く俺を見て会長が目を見開いた。
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