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都内のホテルの一室
クロは自分の立場に困惑していた
ナノやKiller達を裏切った恭介について来た
たった1人で
クロは昨晩のことを思い出していた
「クロ、少しいいか?」
「ん?全然いいけど?」
ゴミの町の片隅で、クロは空を眺めていた
そんな時後ろから声をかけられた
相手は無論恭介である
「大切な話がある」
「な、なんだよ改まっちゃったりしてさ」
恭介の真面目な雰囲気に飲まれてしまう
恭介が面と向かってまっすぐに大切な話だなんて言われることなど想像もしてなかった
「明日、おそらく俺らはヘレストを殺すことができるだろう
俺達の目的は達成される」
「あぁ、うん
確かにそうだな」
「だが、俺にはもう1つの目的がある」
「もう1つの目的?」
「ナノにも話していない俺の悲願だ」
「なんなんだよ、それ」
「ヘレストをこの肉体に取り込む」
「・・・え?」
突拍子の無い話にクロは目が点になる
「取り込む?は?どゆこと?」
「文字通りだ
取り込み、吸収するのさ」
「そ、そんなことしてどうしようってのさ?
てかそんなことできるの?」
「神の力を得るんだ」
「神の、力を?」
「そうだ
神の力を手に入れ、俺がこの世界の神になる」
「ごめん、全然話が読めない」
「だろうな」
そう言うと、恭介はゴミの上に腰を下ろした
クロもその横にちょこんと座る
「この世界に来た時から神の力を得れるんじゃ無いかと思ってた
ヘレストをこの身に吸収することによって
そうすれば俺がこの世界の神になれる
邪魔なヒュリムの分身も取り込めばより強い神になれるってな
まぁ、分身はナノだったわけだが」
「そんなこと考えてたのか」
「あぁ、ただヘレストを殺すだけなら正直俺とナノさえいればなんとかなった
しかし、確実に奴の命を奪った上で吸収するにはKillerやら何やらの力が必要だった
奴の注意を俺から逸らす必要があったからな」
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