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茅野さん宅
長淵 空ちゃんをお借りしました。
空ちゃんの小説のうさぎサイドの小噺。
(気になる人は茅野さん作の空ちゃん側の小説をチェックだ!)
***
長閑な昼下がりに出会った、うさぎ男と小柄な少女。
うさぎ男の赤い腕章を見るなり警戒し、睨みつけ、こそりと囁かれた。
空「勝つのは源氏ですから」
強気の言葉の芯には、きりきりと張りつめた琴線が一本通っているようだ。
それを弾くたび、少女からは竪琴のような音色ともに、辛辣な言葉が放たれた。
それをもっと聞きたくて、その琴線に触れたくてたまらなくて、くだらない言葉を何度も投げた。
空「やれるものならどうぞ。では夜野さん、失礼します」
自陣営の勝利を信じ、誇りを失わないその態度。
瑪瑙の玉のような艶のある瞳の奥に見える、青白い炎。
うさぎ「生意気だなぁ…」
うさぎ男に出会わなければ、ここで食べていたであろうお弁当を抱え、小走りで立ち去る少女。
その背中をじぃっと見つめ、うさぎ男は呟いた。
「綺麗なもの、見ぃつけた…」
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