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それでも花岡昭人は俺の手を離さない。
「無理ってどういう」
「沙羅は“人”じゃない。」
「んなことさっき見ていたから」
「沙羅は………『悪霊』なんだ…。」
「!!!!」
俺は驚いた表情で花岡昭人を見た。
それはそうだ。
さっき見ていた幼女…沙羅は“悪霊”だと言うのだから。
「…嘘だろ…」
「事実だ。こればかりはな……。」
俺も花岡昭人もやるせない気持ちになった。
放送でゲラゲラと笑う悪霊と大切な“妹”、“友人”を奪われた俺達はまるで、ゲームのラスボスに負けた勇者のようだった。
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