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あんまりだと思った。
花岡も俺もやっとここまできたと言うのに、あんまりだと思った。
「あんまりだろ!!『諦めろ』だなんて…。花岡はアンタに帰ってきて欲しくてこのゲームに参加したんだ。ずっとひとりで、藁をも掴む思いでやっとここまできたんだ!!俺も花岡も。」
「…だがしかしだ…」
「俺は妹と母親を人質に捕られてんのに『ゲームを諦めろ』ってアンタはいうのかよ!!」
「…なんだと!?人質…?」
「え……?」
俺と花岡昭人は驚きを隠せない。
俺は妹と母さんを人質に捕られているはずで、彼はそのことを知っていると思ったが、どうやら彼は知らなかったらしい。
花岡昭人は眼鏡をクイッとあげると
「とりあえずだ。今日のところは見逃してやるから、さっさと帰れ。」
「あ…ああ…」
俺は眠る花岡を手渡された。
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