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だから、さっさと通りすぎようとした。
それなのに。
「あ、次の金曜日にオープンします
カフェ暖です。
よろしくお願いします」
タイミングよく開いたガラス戸から
ふわふわした印象の小柄な女の子が
飛び出てきたかと思ったら
さりげなくわたしの手に
ちいさなチラシを握らせて
深々とおじぎをした。
「あ、はい」
わたしはその女の子の顔も見ずに
店の前を通りすぎて
チラシを夜風にはためかせながら
ただ家に向かった。
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