2:彼女のちいさな店
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「おひとりですか?」 ふわふわした栗色の髪をはずまながら 玄関でくつをぬぐようにうながして わたしを二階へ案内する。 「お足元、お気をつけくださいね」 きれいな螺旋を描く板のうえを きしきし音をたてながらのぼってゆく。 木の腰壁から 白のしっくいの壁に視線がうつる。 二階の板敷きの床には あたたかそうなスリッパが並べられていた。 わたしはそのオレンジのスリッパに 足をすべりこませた。
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