思いがけない依頼

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 それから三日、風邪の患者は今も増え続けている。  幸いなのが、最初の頃に感染した者が復帰できていること。それでも、新たな患者の方が多い。 「治療に当たる時はマスクに薬草を挟み込んでやってください。症状が重くなっている場合は私を呼んで。我々医療府が倒れる事は、決してあってはなりません」  仲間達を鼓舞し、朝の会議を終えて皆が散っていく。エリオットも自分の診察室に戻り、今の患者のカルテを書き込む。  城でも流行しているようで、そこに務める近衛府が一番患者が多い。  近衛府だけで二十人。一人あたりの仕事量も増えてきている。それに加えてパーティーの警備もある。疲労が溜まれば免疫力が落ちる。そうして風邪を引いてしまう。  意外にも騎兵府はそう多くない。さすが、普段から体力訓練をしているだけある。並の体力ではないのか、少し調子を崩しても数日薬を飲んだだけで復活してくる。彼らはどんな体をしているのだろう。  あれこれとやっていると、突然廊下が騒がしくなる。数人の話し声だ。そのうちに扉がノックされ、目にも明るい金の髪が飛び込んできた。 「すいません、今大丈夫ですか?」 「どうしました、ランバート? 怪我ですか?」     
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