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年末パーティーから二日。相変わらず風邪の隊員が増えている。
けれど、それに弱音を吐いてもいられない。エリオットは精力的な日々を送っていた。
忙しい時間を過ごしていると、昼を少し前に突然と城に呼ばれた。
近衛府の隊員に案内された部屋を開けると、中にはオスカルと、パーティーの日に来た女性が待っていた。
「え?」
「こんにちは、お医者様。その節はお世話になりました」
深々と頭を下げた彼女に慌てて「いえ!」と言って頭を下げる。その様子を見て、オスカルが可笑しそうに笑った。
「もう、二人とも面白いな。まぁ、座りなよ」
応接間のソファーに腰を下ろしたエリオットの前に彼女が座る。そして改めて丁寧に頭を下げた。
「申し遅れました。私、フィオナ・ジェークスと申します」
「エリオット・ラーシャです。足の具合はその後どうですか?」
「おかげさまで、痛みもありませんでしたわ」
可笑しそうにフィオナ嬢は笑い、エリオットはほっとする。
「本当に、お医者様はお仕事熱心なのですね」
「あぁ、いいえ」
なんだか慣れなくて照れてしまう。
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