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エリオットは自分の人気に気づいていない。綺麗な容姿だし、直接肌に触れる事も多い。何より怪我をした時に世話になる人だ。弱った時に触れる人だ。だからか、彼はとても人気がある。
分かってないんだろうな、無防備にして。本当に骨が折れた。
「勿論」と答えたエリオットに、オスカルは満足な顔で笑った。
「それ、最高に嬉しい」
彼に触れる最初の男である悦びが、胸の底からわいてくる。ゾクリとするほどの心地よさに体を震わせる。
知っているのかな、彼は。
こんなに深い感情があることを。欲があることを。自分でもコントロールできないくらい、誰かを求める気持ちがあることを。それを、向けられていることを。
大事にしないと。泣かないように、傷つかないように、悲しまないように。
君を手にした今、一番は君になった。陛下でも、自分でもない。
「ねぇ、考えた事あった?」
「なにを、ですか?」
「こんな風に、僕と抱き合う日を想像したことある?」
まぁ、ないだろうな。彼は鈍いから。多分、気づいてもいないだろう。
そうは思っても、首を横に振られるとちょっとショックだ。
「僕はね、ずっと考えてたんだよ。いつかエリオットを抱きたいって、思ってた」
「え?」
「好きなんだから、当然でしょ? 好きな人の肌に触れて、気持ちよくなりたいって思うのは普通だよ」
「そういう、ものですか?」
「違うの?」
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