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思いがけない依頼
一日の業務を終えて、エリオットは溜息をついた。
今日だけで騎兵府と近衛府、合わせて五人の患者。どれも風邪だった。最近急に冷え込んだ事と、空気の乾燥が進んだことが原因だろう。
幸い重症化している者はない。発熱も微熱程度、頭痛などはなく、咳と喉の痛みが顕著だ。
それにしても数が多い。一週間で考えると、すでに二十人くらいが同じ症状でドクターストップがかかっている。このままで考えると、来週にはもっと数が増えてくる。
考え込んでいると、ドアがノックされる。弾かれたように顔を上げて声をかけると、困った顔のシウスがそこにいた。
「ちょっと、よいか?」
「えぇ、かまいませんが。もしかして、シウスも風邪ですか!」
驚いて声を上げてしまう。シウスは全体的に白のイメージがある人物で、あまり強そうには見えない。だが、案外病気などには強い人だ。風邪などもあまり引かないのに。
だが、そうではなかった。彼は首を横に振った。
「私ではなく、ラウルがな。少し怠そうにしている。熱はないようなのじゃが、風邪も流行っているでな。少し、診てもらえないだろうか」
「分かりました、すぐに行きます」
立ち上がり、奥の仲間に声をかけてシウスの後に続く。
ついでに今日調子を崩した面々のところに行って、容態を聞いて薬を置いて行かないと。やることがまだ多そうだった。
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