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「支社長も駄菓子屋に通ってたんですか?」
お支払いはカードでとか? とこちらの手許を見ながら、琴音が訊いてくる。
「カードで買える駄菓子屋があるのか」
「うち、買えますよ」
と琴音が言うと、老婆は深く頷き、レジに行く。
彼女が指差した先をよく見れば、確かに使えるカードのマークがいろいろと貼ってある。
前回は店先で金を渡したら、琴音の祖母が釣りを持って来てくれたので知らなかった。
「最近は、子どもより、会社帰りのサラリーマンの方の方が多いので、カード対応にしたそうです。
そうだ。
支社長、お好きな駄菓子はどれですか?」
と後ろを振り返りながら、琴音は言う。
そして、
「これをひとつ、差しあげますから。
どうか、お目こぼしを」
とうやうやしく札束のような袋に入った焼きカマを差し出してくる。
「……賄賂受け取ってるみたいだからやめろ」
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