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「おい、鉄砲隊が来たぞ」
と後ろから来た鉄砲隊を冬馬は指差した。
「ああ、よその町の方も参加したいとおっしゃって。
あれは、地元猟友会の方々です」
「……今にも撃ち殺されそうだな」
火縄銃じゃなくて、最新式の立派な猟銃を持ってるぞ、と言う。
次に、プラカードを持って、黄色い法被を着た何処も江戸時代でない人たちが現れた。
「……あれはなんだ?」
「例のショッピングモールの人たちです」
「敵だろ。
宣伝してるじゃないか」
「向こうに、うちの商店街の宣伝もしてもらってます。
チラシを置かせてもらったり。
寄り添い合い、助け合ってやっていくのも江戸の知恵です」
「……説教か」
「私、説教はしません」
「しそうにないな」
と言いながら、二人で、仮装したお客さんたちが楽しげに歩いていくのを眺めていた。
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