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まだ祭りは続いているようだが、冬馬は、そろそろ帰ることにした。
水茶屋で団子をおごってやると、琴音は、
「ごちそうさまでした」
と頭を下げてくる。
「あっ、帰るのなら、ちょっと待っててください。
いいものあげますから」
と言って、琴音は駄菓子屋に戻っていった。
そういえば、俺は駄菓子屋に来たんじゃなかったか?
と今更ながらに思ったとき、琴音がこぶりなビールを持ってきた。
「これ、おひとつどうぞ。
あの札束と一緒に」
と笑う。
よく冷えてはいたが、それは、もちろん、よい子向けのビールだった。
だが、俺がこれをラッパ飲みしながら、運転して帰ってたら、警察に止められそうだな、と思う。
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