753人が本棚に入れています
本棚に追加
/32ページ
車のところまで来た冬馬は、ドアに手をかけながら、思う。
ギラギラしてる男は駄目ってことは、あいつに好かれようと思ったら、枯れたじーさんみたいにならなきゃいけないってことか?
いや……、あいつに好かれなくとも、まあ、別にいいんだが。
まだ日差しは高く、眩しくて、車の中は冬の始めとも思えないほど暑かったので、冷えたビールもどきを飲んでみた。
「……甘っ」
と呟いたあとで、ビンを眺め、そこに描かれたぼんやりした子どもの顔に琴音を重ね、少し笑う。
最初のコメントを投稿しよう!