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……なんだろう。
見間違いかな? と思いながら、冬馬は広い道の端に車を停め、今の文明にしがみつくようにハンドルを握り締め、眺める。
が、やはり、そこに江戸はあった。
着物を着た子どもたちが風車を手に走り回り。
所狭しと、屋台が立ち並んでいる。
……タイムスリップ? と一瞬、阿呆なことを考えた冬馬だったが、屋台の並ぶ道は、よく見れば、普通にアスファルトだった。
通りに並ぶ家々が古いので、ほんとに江戸っぽく見えただけのようだ。
古い路面には、制限速度40の文字まではっきり描かれている。
そして、風車を手にした子どもたちは端まで行って曲がると、何故かまた同じように、わーい、と言いながら、走ってくる。
よく見ると、いろいろと嘘くさいな……。
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