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「屋台デース!!」
わーい!!とはしゃぎながらクガイとうさぎは屋台に走る。
「コラ!走るな!!あとお前らちゃんと金持って来てるのか!?」
うさぎが赤の言葉に走って戻って来ると赤と青を引っ張って行く。
「ちょ、ちょっと待て安藤!金持ってきてないのは分かったが引っ張らなくても行く!」
「え?僕も?」
そんな中クガイはヨキの袖を引く。
「何だ?」
「オニイサマもどーデスか?」
「仕事がある。じゃーな」
ヨキはポンとクガイの頭を撫でて去って行った。クガイは自分の頭に手を当て暫くヨキの背を見送っていたが、赤に呼ばれすぐに返事をし駆けて行った。
赤と青は皆の気遣いのお陰で少しだけ頭がスッキリした。
そして…
やはりあの男に会って確かめなければ自分達の中の全ては解決しないとそう思った。
悩んでいても仕方ない。
赤は不意にクシャリとクガイとうさぎの頭を撫でる。
「ありがとうな」
二人が首を傾げて赤を見上げる中、赤は優しく笑った。その笑顔がいつもの笑顔で二人は少しホッとした。
「僕も何か食べよー。あ!赤!ロシアンタコ焼きとかあるよ!やろうよ!」
「それ俺が一回目で外れ引くだろ!!」
その日吹っ切れたように帰って来た総帥と補佐の背をアンナが手形がつくほど強く叩いたのだった。
―END―
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