現実

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赤と青はアポを取りとある施設を訪れていた。 厳重な警備の度に身分を証明し、奥へ奥へと進んでいく。 そして少し広い部屋に通された。真っ白な部屋の左右の壁を埋め尽くすように本棚が並んでおり、その正面にデスクがポツンと一つ。そこに白衣を聞いた初老の男が椅子に座っていた。男は二人の姿を認めると勢いよく立ち上がった。 「ようこそ!【患趣】の若き総帥とその補佐殿!」 男は満面の笑みを浮かべ、二人に歩み寄ると手を差し出した。 「総帥の赤です」 「総帥補佐の青です」 最初に赤が握手を交わし、続いて青が握手を交わす。 「私は『異形研究所』所長、藍前 克之(あいぜん かつゆき)。いやぁ、若く有能な二人に興味を持って貰えるとは嬉しい限りだ」 そう。赤と青は異形の収容所兼、研究所を訪れている。ここは全国的に見てもかなり大きい部類の施設になる。 「やっとお伺い出来る程度の立場になったと自惚れ、お邪魔させていただきました」 「ハッハッハッ!君達ならいつでも歓迎したと言うのに」 所長は大らかに笑った後二人の顔を見比べる。
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