頼ること

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【患趣】にまた新しい仲間が加わった。 「私はアンナ。好きに呼んでくれ。よろしくな」 勇ましさを感じさせる紫の髪色の女性。履歴書は前持って目を通していたが、彼女の過去は壮絶だった。 「野郎の力は借りない、安心しろ」 そう言う彼女に赤が口を開こうとした時、けたたましい警報音が鳴る。 「『こちら患趣!状況は!?』」 「『火属性のトカゲと思しき複数の異形を発見!!子供が誘拐された!!場所は――』」 場所を聞いたその直後、アンナが先に駆け出していた。 「待て!!アンナ!!!」 「先に行ってるよ!」 赤の制止を待たず、アンナはひたすら走った。 嫌だ。 過去のようなことは二度と。 嫌だ。
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