現実

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無意識に基地に帰った時、岩動とクガイ、うさぎが二人を出迎えた。 「あ、総帥!補佐!お帰りなさーい」 元気よく駆け寄ってきた三人。 「おかえりなさいデース!」 「おかえりなさい…。もうすぐご飯…」 純粋に見上げてくるその瞳達に二人は酷く顔を歪め、どうしたのだろうと眼を丸くする三人ごと抱き締めた。 「悪い…」 「ごめんね…」 絞り出すような声。 三人は心配そうに二人を見上げるが、二人はその言葉以降何も口にしようとはしなかった。 知らなかったとは言え、自分達はこんな優しい子達にあんな非道を手伝わせていた。その事実に二人は言いようのない思いを抱えた。 元々は黒羊を殺すためだけに立ち上げた部隊だった。組織として立ち上げた以上は勿論隊員全員を守ることを考えた。だが、それ以上にただ黒羊を殺せればそれでよかった。 だが、今その黒羊を殺すためだけに作り上げた組織に揺らぎが生じている。 自分達の覚悟が揺れている。 このままでいい訳がない。分かっている。だが、今はまだはっきりと断言したい答えが出て来なかった。 ーEND―
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