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「これはうちの感情論で言ってる訳じゃないっす。確かに今異形と人間は対立してるっすけど、うちはちゃんと異形とも心を通わせることが出来るってことを知ってるっす。人間に悪人がいるように異形にだって悪い者もいい者もいるはずっす。それをしっかり見極めず全て断罪するのはおかしいっすよ」
「…じゃあどうする?野放しにするのか?その子供が傷つけられた憎しみから人間を襲うようになったらどうする?お前はその可能性に対する責任が取れるのか?」
赤の鋭い視線に命は気おされたが、負けじと口を開く。
「この子はうちの退治屋に預かってもらうっす。国に申請していれば異形を監視下に置くことは可能っす。勿論危険性の少ない異形に限られるっすけど、まだ子供、更にこれだけ傷つけられて力を使っていないところを見ると力の発動もまだじゃないかと思うっす。申請は十分通るっすよ」
暫し命と赤のにらみ合いが続く。だが、赤が一つため息をついた。
「お前が感情論で動こうとしてる訳じゃないのは分かった。俺もそこらに関してはお前から学びたいところでもあるしな…」
「分かった。そういうことなら何かあった時は【患趣】もすぐに動くし、責任はぼくらも被ることも添えるよ。そうすれば申請も尚更通りやすくなると思うし」
命は途端に顔を輝かせる。
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