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「ありがとうございますっす!!」
命は後ろの異形を振り返り、しゃがみこんで視線を合わせる。
「もう大丈夫っすよ。うちなら怖いことはもう起こらないっす」
「ほんと…?」
「ほんとっすよ!約束するっす!」
ニッと明るい笑顔を浮かべれば怯え切っていた少女の顔には安堵が浮かび始めた。
申請はあっさりと通り、少女は命の実家へと護送されることとなった。
見送った後赤が少女に手を振り続けている命に対して口を開く。
「だが、今回のようなことが続けばお前の実家がパンクするぞ」
「分かってるっす。だから今うちは法の改正に動いてるんすよ」
「法の改正?」
「異形に対する法を緩和させるんす。今の法は異形なら何をしてもよいという非人道的なものっす。彼らは確かに人類にとって脅威っす。でも…話が通じる相手を脅威だから排除するというのは間違ってるっすよ…」
グッと拳を握り締める命の頭を赤がポンと撫でる。
「お前の実家の退治屋についての内容も詳しく聞いてなかったな。お前の考えに対しても詳しく聞かせてくれ。参考にしたい」
赤の言葉に命はパアッと顔を輝かせた。
「はいっす!!」
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