四 あなたのために出来ること

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 感謝の言葉と共にキスをすると、ルスタは体を起こし、ゼアンの下半身へ手を伸ばした。今から繋がる部分へもう一度指を這わせ、潤滑油を塗りこむ。そして、柔らかくなったそこへ、ルスタのいきり立った陰茎が当てられた。 「平気か?」 「はい」  少しだけ、怖い。けれど、ぐっと押し当てられ、入り込んでくるものを嫌だとは思わなかった。痛くて、固く目を閉じたけれど、無理だとは叫ばなかった。 「ふ、んっ……、うぅ……!」  漏れ出る声は苦痛からだった。それを隠すために口を覆う。 「ゼアン、きついならっ……!」  ルスタの顔も険しかった。つらいのはたぶん、一緒だ。  だからゼアンは駄々っ子のように頭を振った。 「いや、ですっ……! このまま、まだっ……」 「しかし……」 「ルスタさまっ……!」  止めたらだめだ。  今夜が最後のチャンスなのだから。  ゼアンは涙声で止めないでくれと訴えた。名前を呼ぶと、苦しげにルスタが呻く。  ぐっと体に力が入ったとき、何故だか上手くルスタを受け入れることが出来たような気がした。あ、と声が漏れたときには、ルスタの熱を近くに感じた。 「す、すごっ……」  満たされるとは、こういう感覚なのだろうか。腹いっぱいに満たされているような気がする。ゼアンは初めての感覚に戸惑いながら、ルスタを見上げた。額に汗を浮かべているルスタはゼアンの視線に気づき、無理に笑んだ。 「いた、い……ですか?」 「いや。どちらかというと、つらい」 「えっ……」 「このまま思いっきり、腰を打ち付けたくなっている。だが、それは出来ないな」  やってもいいと言うなよ、と先に釘を刺された。繋がったままで、ルスタはゼアンの腿や腹を撫でていく。まるで痛みを遠ざけていくかのような優しい手つきだった。  二人をひとつにしている部分が、とても気になった。けれど、ルスタの愛撫に別のことも気になってくる。 「ルスタ様……」 「ん?」 「キス、してください」 「……ああ。もちろん、いくらでも」
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