1話 世界の始まりなんてそんなもんさ

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僕が四畳半の部屋からでるきっかけ?写真投稿SNSに投稿されてたシリアの写真とか、ドキュメンタリー番組のシベリア特急で旅をしたいとかそんなかな?と僕は国営新聞のインタビューに答えた。 「上沢くん新聞に載るから期待しててね」と記者は言い残し出ていった、下級生に花をもらい、第2ボタンをせがまれ絵にかいたような3年間の締めくくりだった。 同級生から遊びながら帰らないかと誘われたが、早く親に卒業証書を見せたいと言い断った。本音はこのわざとらしい紙袋6袋にもなる優秀賞の証書を持ち歩きたくなかった。 いつも通る通学路を100メートルも歩かない所にあるコンビニに見慣れた車が停めてあり、母親が迎えに来ていた事に気付いた。 車から母親が出てき僕を呼ぶ「サキー迎えに来たよ」と大声で手降りながら呼ばれた。 「母さんただいま今日の夕刊か明日の朝刊にインタビュー載ってるから内容は期待しないで読んどいて」と言うと「頑張ったね明日からどうする?」と聞かれた。 「明日、その話するから皆集めていて欲しい...」そう言うと母親がこう言った「お父さんとお婆様なんて言うか分からないけど、やりたい事があるならやりなさい、やりたい事があなたを創ったから」僕はなにも言えなかった、知らないと思っていた事がわかっていてくれた事が嬉しかった。 「パスポートとエアメールが届いて知らんぷりしてる親は居ないよ、どうなるか分からないけど母さんは味方だからね」 そうして一夜明け家族全員集まり僕の今後の話を始めた。 「僕、上沢咲人は国際報道集団に三年前から入団しており、家業を継げない事をお詫びします」どよめきの中続けた。 「皆様には育てていただいたご恩を仇で返す事になり大変申し訳なく思っているところでございます」「君はまた夢と言う名の衝動で」とお婆様が言った事を遮るように「もういい」と父が言った、そのあと「家族に使う言葉じゃない、父さんは家業継げなんて、昔は言っていたがこの3年間は一言も言ってない」「幸夫そんな事でどうする」とお婆様が声を荒らげる。「母さん咲人は辛かったんだ高校でいじめられ寮母にまで虐待されて更に俺が焦って咲人に強く当たってしまって本当に辛かったんだ、だからもう自分の好きな事やらせてやりたいんだ」父の秘めた思いに僕は感極まり涙を流し「父さんありがとう、本当にありがとう」と言い崩れ落ちた。
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