1話 世界の始まりなんてそんなもんさ

3/9
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
「咲人泣いてないでその国際報道集団でこれから何をして行くんだ?」僕は涙を拭い言った「僕はこれからお爺さんのカメラを持ってシリアに行きます、そして愛と平和の大切さを世界中の人達へ伝えて行きます」母が動揺しながら言った「シリアって内戦は終わったけど治安はまだ相当悪いのよ」母は言葉を詰まらせ最後にこう言った「やりたい事がそれならしょうがないけど、手足が無くなってもいいから必ず帰ってきてそれだけは約束して」母の決意が伝わってきた。 「母さんには特に心配かけるけど、僕はもう大丈夫一人で歩ける、それに今は世界中に仲間と協力者がいるから何とかなる、あの時みたいに僕一人じゃない」僕の家族は、自分を見てくれていないと思っていたが、こんなにも自分と向き合っていてくれた、それがそれだけが嬉しかった。 その後シリアへ向かうプランと協力者の話を始めた。 「まず上海経由でモスクワに行きドイツのミュンヘンで国際報道集団の協力者に会い一週間ほど危険地域の説明それからトルコ経由でシリアに向かう」母は僕が準備をしていた事をなんとなく気づいていたが、父は知らなかったようだ。 「これだけの準備良くしたな、それに良くこんなに物品を買い集めれたな」「バイト掛け持ちと中古レコードの転売で何とか集めた、あとはお爺さんのカメラの修理が終わっているので受け取りに行くだけ」「お爺さんのカメラってあの半世紀前のフィルムカメラか、今時現像できるのか」「今はデジタルフィルムカメラユニットっていう物があってフィルムカメラをデジタル化できるんだよ」と言うと父は驚いていた。 その後、祖父のカメラを受け取りに向かった。 カメラ店に向かう道中なぜわざわざあのカメラなのかと聞かれた「あのカメラはお爺さんからお守りとしてもらった物だし、学生時代からこのカメラで写真投稿してCOOLだと言われてきて、この団体にスカウトされるまでになったから、僕イコールあのカメラなんだよ」そのあと父が「あの機械式カメラなら銃で撃たれても弾止まるか、確かにお守りだな」と言った、確かにベトナム戦争の頃にそんな事が有ったらしい。 「そんな事が有れば本当に凄いね、BBCのニュースになるじゃないかな」と半ば冗談で話していた。 話が終わる頃にカメラ店に着き、店に足を踏み入れた。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!