ゆめこちゃん

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LINEの受信音が鳴り、次に送られてきた地図は男が勤めている会社だった。 その次に送られてきた地図は、男がいつも利用している駅前。 そのまた次の地図は、男がよく立ち寄るコンビニだった。 男が送った現在地、つまり自分の家にゆめこちゃんがだんだん近づいて来る。 それも噂通りだった。 だが、結末がどうなるかは不明であった。 男は、ほんの少しだけ不安の種が芽生えていた。 そして、ついに送られてきた地図は、男が住んでいるアパートの前だった。 それを見た瞬間、ピンポンとインターホンが鳴った。 男は、ゆっくりと立ち上がる。 また、ピンポンとインターホンが鳴る。 男は、ドアに近づきドア穴から外を覗く。 ドアの外にいたのは、おかっぱ頭の小学生ぐらいの女の子だった。 全身びしょ濡れで、首には鉈のようなものが刺さっていた。 体の至る所に苔のようなものが生え、一部は骨が見えるほど溶けていた。 見るからに、この世の者ではなかった。 気味が悪くなった男は、ドアから離れ部屋に後ずさりした。 そこに、LINEの通知音と共にメッセージが届く。
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