再会を約束した店がすでに様変わりをしているのは知っていた

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慌てて、店を飛び出すと、十メートルぐらい先に蘭が立っていた。 会計の間、待ってくれてたんだな。 小走りで駆け寄った。 蘭は木枯らしを避けるように、コートの衿を立てていた。 「帰るか」 「うん」 しばらく二人は並んで歩いた。 住宅街を抜けて、駅前の商店街に入った。 すでに七割がたの店はシャッターを閉じていた。 僕はポケットに手を突っ込んで、少し先を行く蘭ノ国足元を見ながら歩いた。 「あっ!」 急に立ち止まった蘭の背中に突っ込みそうになった。 「なんだよ、危ないな」 「ほら、みて!」 蘭が指し示す先を見つめると、クリスマスツリーが立っていた。 白色と青色のLEDを身にまとったクリスマスツリーは、流行を先取りしたスーパーモデルのように、周囲に馴染むのを拒否して、堂々と立っていた。
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