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「どうやって探すんですか。アサケンの弟です、って警察に行って、会わせてもらえますか?」
……残念ながら俺は色男は色男でも、お前さんのように美男系ではないので、兄弟の線は無理だ……。
「真面目に話す」
分かってるよ! ヤバい事件でこうなってるのに、いきなり知らねえ奴が行ったってあいつらが会わせる訳ねえってことぐらい! ああ、千葉の両親も当てになんねえ二人だし。このまま怨霊は嫌だあ~!
「……動きがダイナミックだな、影虎」
俺が背中を畳に擦りつけて身悶えしていると、戸口にマキが立っていた。俺を見て余程珍しいのか、ニヤニヤと笑っている。
「ど……どうしたんですか、昨日の今日で」
そう頻繁にやってくる奴ではないらしい。真那賀も驚いたのか、薄暗い店内なのでまじまじと顔を確認している。
マキは、また大きなリュックを背負っていた。昨日渡せなかった香木でも持ってきたのだろうか?
「ここに、しばらく泊めてくれ」
マキの言葉に、真那賀の反応が遅かったので、ん? これはアリなのか? と俺が首を傾げると背後からきつい声が飛んだ。
「冗談じゃありません」
ナシだったらしい。
「迷惑はかけねえよ。ほんの少しの間でいい。住むところが見つからねえんだよ」
「ヤバい状況だということでしょう」
「まあ、そうだな」
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