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「そこを何とかしてください。急いでいるんです。いろんなお友達がいるでしょう」
「一課、ねえ。他にねえのか、そいつの情報は」
「キャバクラより風俗派だそうです」
キャッ!
俺は思わず飛び跳ねたが、マキは面白そうに喉の奥で笑いをかみ殺した。
「そいつの情報を持ってくれば、俺はここに居てもいいんだな?」
真那賀は眉をひそめたが、あっという間にマキの腕の中に絡めとられた。俺は反射的に爪を剥き出しにしてジャンプしたが、マキは卑怯にも真那賀を膝の上にのせて盾にしてしまった。
「自信、あるんですか」
「一課だろ? ちょっと心当たりがある」
真那賀、お兄さん、やっぱりその着物がよろしくないと思うぞ。
ほらもう、あっという間にいたるところに手を突っ込まれちゃうわけじゃん。
あーあ、俺も人間に戻ったら、一度は着物プレイする!
「影虎。外に遊びに行ってきなさい」
夏場の熱さも伴って、むせかえるような花のにおいを充満させながらマキの腕の中にいる真那賀が、身をよじらせながら俺に注意する。
いくら殆ど来客のない店だからってさあ、暖簾を外してからそういうことやろうや。
「マキさん!」
「ああ、ハイハイ」
マキはあっさり真那賀を離すと、暖簾を外しに下駄をつっかけた。
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