154人が本棚に入れています
本棚に追加
なんと、マキは次の日の夜には俺の情報を持っていた。
「刑事が六本木で撃たれて意識不明の重体になったって話は、もうとっくに新聞にも出てんだよ」
いつの間にか有名人だった俺!
しかし、マキが放り投げた新聞には、当然所属も名前も出ていない。
「一課の刑事だってことはバレバレで、今でも噂になってる。桜田門の、一課だぞ。おそらく殺しで動いていた刑事が、銃で撃たれてんだ。同胞殺しは警察は最も許さない。見せしめのために絶対に犯人を上げてくる」
死んでねえよ!
まあ、しかし状況は大体読める。
こいつの言う通り、ちょっと裏通りを歩いてたら、警官が撃たれたなんて事件、一体どこの誰の話かなんて、すぐに分かるだろう。おそらく警察側も殺気立っている。このくらいの情報はすぐに掴めるわな。
ん? どうした、真那賀。
「ちょっと待ってください、これ、撃たれたのって、二週間前……?」
「そうだな」
えーっっ!?
俺猫になって四日しか経ってないはずだけど?
「死んでいませんよね!?」
「病院に入院中らしい」
「どこの!?」
「知らねえよ、そこまでは」
調べろ、このエロ野郎~!
てめえ、この程度の情報ぐらいでここに居られると思うなよ、真那賀のエッチ一回分より程遠いわ! こんな情報集めるの全然苦労してねえだろ、刑事なめんなよ!
「影虎、影虎落ち着いて!」
マキの顔にしがみついて猫キックを繰り出した俺を、慌てて真那賀が引き離した。
うわあああん、真那賀あ。もう十四日も経っていたなんて、残り三十五日しかねえじゃん! どうすりゃいいんだよ~!
最初のコメントを投稿しよう!