取引

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なんと、マキは次の日の夜には俺の情報を持っていた。 「刑事が六本木で撃たれて意識不明の重体になったって話は、もうとっくに新聞にも出てんだよ」  いつの間にか有名人だった俺!  しかし、マキが放り投げた新聞には、当然所属も名前も出ていない。 「一課の刑事だってことはバレバレで、今でも噂になってる。桜田門の、一課だぞ。おそらく殺しで動いていた刑事が、銃で撃たれてんだ。同胞殺しは警察は最も許さない。見せしめのために絶対に犯人を上げてくる」  死んでねえよ!  まあ、しかし状況は大体読める。  こいつの言う通り、ちょっと裏通りを歩いてたら、警官が撃たれたなんて事件、一体どこの誰の話かなんて、すぐに分かるだろう。おそらく警察側も殺気立っている。このくらいの情報はすぐに掴めるわな。  ん? どうした、真那賀。 「ちょっと待ってください、これ、撃たれたのって、二週間前……?」 「そうだな」  えーっっ!?  俺猫になって四日しか経ってないはずだけど?   「死んでいませんよね!?」 「病院に入院中らしい」 「どこの!?」 「知らねえよ、そこまでは」  調べろ、このエロ野郎~!  てめえ、この程度の情報ぐらいでここに居られると思うなよ、真那賀のエッチ一回分より程遠いわ! こんな情報集めるの全然苦労してねえだろ、刑事なめんなよ! 「影虎、影虎落ち着いて!」  マキの顔にしがみついて猫キックを繰り出した俺を、慌てて真那賀が引き離した。  うわあああん、真那賀あ。もう十四日も経っていたなんて、残り三十五日しかねえじゃん! どうすりゃいいんだよ~! 
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