2 新たな社是によりあなたを平和的にプロデュースします

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 僕の顔から血の気が引いた。でも、僕を殺すつもりなら、なぜすぐに引っ込むんだろう。僕は青ざめながら怪訝な顔をする、という、我ながら器用なことをした。 「あ、すみません、なんか意味わからないですよね! 準備っていうのは、こう人権がないっていうのを受け入れていただけない場合の話でして……その場合で、EJメソッドが選択肢から外れますと、私は担当から降ろさせていただきまして、彼と交代するということになっております」  結局のところ。僕が取れる道は二つ。  ひとつ。何をさせられるかわからないけど、たぶん死なない。で、可愛い女の子つき。  ひとつ。だいたいやることははっきりしてるけど、内臓売って、殺されるかもしれなくて、確実に怖くて、で、屈強なおっさんつき。  もしかして、もしかしなくても、言うこと聞くしかないんじゃないか。 「わかったよ。わかりました。えーええ、わかりましたよ。で、何をすればいいの」  かなりぞんざいな言い方だが、それでも腎臓取られるよりはマシだろう。 「ご理解いただきありがとうございます!」  別に理解でもなんでもないけど、僕の意思によらず画面が次に移る。  EnJo。そう書かれていて、EとJにアンダーラインが引かれている。 「私、あなたの炎上を責任をもってプロデュースさせていただきます!」 (続きは製品版でお楽しみください。全11章です)     
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