炎上プロデュース少女 宝田らめの

２ 新たな社是によりあなたを平和的にプロデュースします

　よくわからない言葉はともかく、僕の目に飛び込んできたのは、文句のない満面の笑顔で、ロングヘアがサラサラでシャンプーの匂いのする女の子だった。
　要するに一言で言うととてもかわいい。
　しかし、そのかわいさは当然、僕を警戒させる。今までの人生で僕に美少女が寄ってきたことはなく、だから寄ってくるということは当然詐欺か何かだ。
　でも大丈夫。僕には今、お金がない。
　お金がないということは、騙されたとしても払える金がない。
　ということは、騙す価値は全くもってないのだ。無価値な人間で良かった。

「かねてより、弊社では貴方のことを調査させていただいておりまして、弊社のプロジェクトにご参画いただくのに相応しい人物という判定を下しましたー」

　プロジェクト!?　参画？　何を言ってるんだ。僕に仕事なんかできるわけがないだろう。その手の詐欺なら、就職活動中の学生を狙っておくれ。