第28話:風に負けない子

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***  文也は布団で爆睡している親子と子犬を見て、そっと寝室の扉を閉める。そしてリビングへ行った。 「人間になっていいぞ」 「ふわぁっ! 二日ぶりに堂々と人間になれますぅ!」 「お疲れさん。マジで助かった」 「いえいえ」  蘭丸は人間の姿になり、背伸びをする。 「ココア飲みます?」 「チャイの気分」 「了解でっす!」  蘭丸はピシッと敬礼をし、キッチンへ行って二つのマグカップに牛乳を注ぎレンジで温める。 「しかしまぁ、よくやったわ三歳で」 「蘭丸も吃驚しました。正直人間の子供の能力の基準が良く分かっていないのですが、それでも芽生さんは凄いと思いましたよ。間違いなくパワフルな女性になると思われ」 「ゴツくなりそうで怖い」 「ほぇ。ご主人様、芽生さんにはいつものフェミニスト攻撃しないのですか?」 「身内にフェミニスト発揮してどうすんだ馬鹿」 「そういうものなのですか」  蘭丸は温まった牛乳にインスタントのチャイを入れてスプーンで混ぜる。二つのマグカップを持って、蘭丸はそれをソファー前のテーブルに置いた。 「サンキュ」 「どういたしまして」  文也の隣に腰掛け、蘭丸は温かいチャイに息を吹きかけて飲む。 「芽生さん言ってました」     
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