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文也は布団で爆睡している親子と子犬を見て、そっと寝室の扉を閉める。そしてリビングへ行った。
「人間になっていいぞ」
「ふわぁっ! 二日ぶりに堂々と人間になれますぅ!」
「お疲れさん。マジで助かった」
「いえいえ」
蘭丸は人間の姿になり、背伸びをする。
「ココア飲みます?」
「チャイの気分」
「了解でっす!」
蘭丸はピシッと敬礼をし、キッチンへ行って二つのマグカップに牛乳を注ぎレンジで温める。
「しかしまぁ、よくやったわ三歳で」
「蘭丸も吃驚しました。正直人間の子供の能力の基準が良く分かっていないのですが、それでも芽生さんは凄いと思いましたよ。間違いなくパワフルな女性になると思われ」
「ゴツくなりそうで怖い」
「ほぇ。ご主人様、芽生さんにはいつものフェミニスト攻撃しないのですか?」
「身内にフェミニスト発揮してどうすんだ馬鹿」
「そういうものなのですか」
蘭丸は温まった牛乳にインスタントのチャイを入れてスプーンで混ぜる。二つのマグカップを持って、蘭丸はそれをソファー前のテーブルに置いた。
「サンキュ」
「どういたしまして」
文也の隣に腰掛け、蘭丸は温かいチャイに息を吹きかけて飲む。
「芽生さん言ってました」
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