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「二十代で起業して、三十代で此処まで成長させた凄腕社長よ。ふふ、大変らしいわよ。ルックスも悪くないし、収入もとんでもない。沢山の女性が狙っているんですって。そりゃそうよ。金持ちと結婚出来るなら誰だってしたいもの。女は贅沢したい生き物なのよ。旭君も悪い女には引っかかっちゃ駄目よ」
「あ、僕は大丈夫です。僕のマネージャー、色々な意味で鼻が利くんで」
女優は愉快そうに笑った。旭も女優に微笑み、そしてもう一度男の方を見る。すると、目が合った。
(うわぁ……なんていうか……怖そうな人だな)
旭がにこっと笑みを浮かべ頭を下げると、向こうも微笑んで軽く頭を下げた。
(全然目が笑ってないんですけどぉ……っ)
冷たいイメージである。冗談が通じず、少々近寄りがたい雰囲気の男だ。
(絶対馴れ合いを拒絶するタイプだ。勇太君みたいに“へいヘーい!!”ってハイタッチしてくるタイプの人を心の底からくだらないと思っちゃうタイプの人だーっ! あ、つまり俺の事も苦手だ多分! だって俺無駄な話大好きだもん! 童貞ですか? って聞いた瞬間着信拒否してくるよ絶対! うわああ怖ぁい!)
一人で勝手に妄想し、勝手に盛り上がる男。倉本旭。
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