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「真尋はな、お洒落なのがな、好きなんだぞ。家にあるやつ全部お洒落なんだ。テーブルも透明で凄いんだぞ。角に頭ゴンしたらな、多分死ぬんだぞ」
ガラス製のテーブルと言いたいらしい。
「そうなんやぁ」
「勇太は?」
「勇ちゃんはね、んんー……バラバラやな」
「バラバラのマグカップが好きなのか!? バラバラだったら飲めないんだぞ!」
「あ、ちゃうちゃう。そういう意味やなくて、好みがバラバラ言うこと。派手めなのも好きやし、奇抜なのも好きやし、かと思えばシンプルなものも好きやし」
「勇太面倒臭いな」
「や、う、うーん……僕はそうは思わへんけど。僕のが絶対面倒臭いし。こないだ僕涼兄さんにメンヘラ犬言われたしな。消えたい」
「消えたいとか言うなよ。勇太から消えろって言われたわけじゃないんだろ。勇太と、仲良いじゃん。仲良いのにそういう事言う奴はムカつくんだぞ。……主人と上手くいってるくせに……」
ムッとしたように眉を寄せ伏し目がちでそう言ったスズに、銀次は慌てる。
「ご、ごめん。嫌な気持ちにさせてもうて。ああああもうほんまどうして僕はこう駄目犬なんやろう。ほんまごめんなさい。ううう僕は駄目犬の極み。クズ、ゴミ、カス以下」
「ほんとだ。銀次超面倒臭いんだぞ。うざい」
「良う言われますごめんなさい」
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