第4話:人間の玩具

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「はい。行きつけのカフェがあるんでそこで。まだでしたら春斗さん達もどうです?」 「いいんですか?」 「勿論」  瑠璃についていく春斗の服を掴み、テツは首を横に振る。気まずいのだ。 「どうしたのテツ。行くよ」 「う……春斗がそう言うなら」  連れてこられたカフェに入った瞬間、テツは頭を抱えたくなった。 「あああ! ドーベルマン!」  ジュンの言葉に皆が振り向く。そこにはジュンと麗奈と弥助、それから葵もいた。勿論、ユキも。 「貴方か。どうも。貴方が怪我をさせた葵の犬です。三針も。三針も三針も三針も縫いました。どうしてくれる……っ」 「す、すまねぇ」 「ユキー。やめなってば」 「だって葵」  麗奈が、キラキラした目でテツを見ている。テツはその視線に気付き、目を逸らした。 「よかった! 本当によかったです!」 「あ、あん時は世話になった。怒鳴ったりして悪かった」 「いいえ、いいえ! ちっとも気にしてないです! ……もう一度、人を信じてみる気になったんですね」 「ああ」  テツは春斗を見る。そしてぎこちなく笑った。 「春斗は俺を捨てない。俺を捨てて後悔するのは春斗だから」  春斗はにぃっと不敵な笑みをテツに向けた。 「言ってくれるね」 「だって、春斗は俺の価値を分かっててくれるんだろう?」 <第5話に続く>
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