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名前を呼ばれ、瑠璃は和希に目をやった。和希は珍しく優しい表情で笑みを浮かべている。
「犬なんてな、馬鹿でなんぼなのだよ。ジュンは極めて馬鹿だ。だからこそ断言しよう。あいつは犬としてお前を決して裏切らない」
「和希君……」
「犬の忠誠心は気持ちがいいぞ。俺が保証してやろう。なぁ、弥助」
「若、アイスそれ今日で何本目ですか。昨日腹壊したのもうお忘れで?」
「……俺の忠犬は少々小言が多くて腹立つがな。ま、何が言いたいかというと、犬はいいぞってことだ」
「全く若は」
言いつつも嬉しそうな弥助に、瑠璃も自然と笑みが浮かぶ。
「さて、いきますかねー。瑠璃さんもお気を付けて。ちゃんと帰ってくださいよ」
「はい。本当に有難うございます。よろしくお願いします」
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