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翌日いつものカフェで、麗奈から事情を聞いた一同。文也がその場で調べ、スマホを見ながら「あ、マジだ」と呟いた。
話はこうだ。とある番組の企画で、「私がママよ」というふざけたタイトルのイベントが行われる。そのイベントの商品が犬なのだ。応募者が戦い、優勝した者がその子を手に入れられるという内容だ。そしてその商品になっている犬というのが──。
「こんなのあんまりです! 私達は物ではありません! 商品ってなんですか! こういうのってこの世界では当たり前なんですか!?」
「いやいや。生き物が優勝商品って当たり前じゃないよ。実際、炎上してるみたいだし」
文也が苦笑いを浮かべながら興奮状態の麗奈にスマホを見せる。チラッと横からその画面を覗いた涼が、面倒臭そうに成る程なと呟いた。
「アルビノなら納得だ。珍しいから確かに欲しい奴は山程いるだろうな」
「アルビノ? 麗奈、俺にも見せてくれねぇかい? ……ほんとさ。スキッパーキのアルビノだねぇ。しかもこのお嬢ちゃん……」
大地の言葉に麗奈が頷く。
「そうです。私達と同じです。しかも! 女の子!」
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