第2話:大事な人の為に

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「いらっしゃいませ」  早速、噂のイケメン君が来た。 「何名様で……」  イケメン君は弥助とジュンを見て目を丸くする。それは弥助とジュンも同じだった。イケメン君を見て呆気に取られている。 「……失礼致しました。四名様でよろしいでしょうか」 「あ、はい」 「お席へご案内致します」  黒に近いグレイの髪。左目がブラウン、右目が綺麗なブルーのオッドアイ。なんのゲームから飛び出して来たんだ? という程整った顔の男だ。成る程、女が騒ぐわけである。  席に着いた瑠璃達にメニューを渡し、お決まりになりましたらお呼びくださいと淡々と言い、男はにこりともせず離れていった。 「なんか、いつもより無愛想……」 「いつもは愛想がいいんで?」 「はい。機嫌悪いのかな」  そう思ったが、他の客には笑顔で接している。あからさまに瑠璃達だけに無愛想なようだ。 「いやはや、こんなに早くとは。ジュンさんパワーは強力ですな」 「俺のパワー?」 「いえ、こっちの話ですよ。さて、何飲みますかねぇ」 「ジュン、お前さっきから何ユキにガン飛ばしてんだよ」 「あいつ、ユキって言うの?」     
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