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第14話:身体を張って守れる存在
大学の講義が終わり、和希は自分のノートを軽く見返した後一息吐いて教材や筆記用具類を鞄にしまった。
「今日楽しみだなぁ!」
「な!」
「第六回医学部飲み会! 時間間違えんなよお前ら。五時集合だかんなぁ」
「ちょ、ちょっと、声大きい。聞こえるって」
「あ……」
講義を受けていた奴等が皆集って盛り上がっている。どうやら飲み会をするらしい。一人の男が大声を出したのを隣にいた女が焦って注意する。注意された男は気まずそうに和希を見た。
そう、和希だけ誘ってないのだ。
(いや、気まずそうにするな。何一つ悪くない俺まで気まずくなってしまうではないか。黙るな。貫き通せよ。さっきまでのテンション最後まで貫き通せよ馬鹿共おおおお!!)
「ど、どうする? 誘う……?」
「え……マジで……」
「あれぜってぇ聞こえてたよ。お前がでけぇ声出すから」
「下手に誘ってヤクザ連れてこられたらどうすんだよ」
「やだよ私。折角の楽しい飲み会が葬式後の会食みたいな空気になるって」
「失礼な事したら全員東京湾で鮫の餌」
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