第17話:綴られる物語

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「だってやり方は問わないって大将に言われたもぉん。掻き乱しに関しては大成功じゃん。流石私ぃ」 「ガキだけは手ぇ出すなよ。またあの兄ちゃんにやられんぞ」 「はぁい」  面白くなさそうに返事をするメリッサに、ルスランは溜息を吐いた。  此処でルスランが「人間の虐殺をやめろ」と言えば、メリッサは間違いなく従う。メリッサがこの世で最も崇拝している相手が他でもないルスランだからだ。だがルスランは言えない。言わない。それは反逆を意味するからだ。反逆と分かっていながらメリッサはルスランに従ってしまう。だから言わない。自分の為でもこの女の為でもない。狼達の為にだ。
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