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第20話:良い子の子守唄
『オゥケーイ! グッボーイ!』
ジュンはキラキラした目でテレビ画面を見ている。画面には、中年の男とボーダーコリー。投げたフリスビーを見事キャッチし戻ってきたボーダーコリーに、『グッドボーイ』と言って男はボーダーコリーの鼻に自分の鼻をチョンとつけて頭を撫でていた。
「瑠璃!」
目を輝かせて此方を見てきたジュンに嫌な予感を察知し、瑠璃は目を逸らす。一緒に居た文也も察し、ニヤニヤしながら面白がっていた。
「俺にも良い子に出来たらこれやってほしい!」
「だとよ瑠璃ちゃん」
「絶対やだ」
「ご主人様ぁ!! 蘭丸もグッボーイやってほしいですぅ!!」
「絶対やだ」
「瑠璃ぃ!」
「やだ」
「ご主人様ぁ!」
「やだやだ」
ジュンと蘭丸はその場に寝転がって大の字になり、手足をバタバタさせる。幼児顔負けの駄々っ子ぶりである。
「俺も鼻チョンでグッボーイされたいされたいされたいぃ!」
「蘭丸もぉ! 鼻チョングッボーイされたいされたいぃ!」
瑠璃は溜息を吐き、ジュンを手招きする。
「ほら、犬になれ」
「マジか瑠璃ちゃん」
「瑠璃ぃ……っ」
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