第24話:犬と見る初日の出

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第24話:犬と見る初日の出

「おや」  吟遊詩人が、やってきた三人の子供達に微笑む。 「あ、お兄ちゃんこんにちはー!」 「こんにちは。お久しぶりだね。元気だったかな?」 「うん!」 「それはよかった。元気な子供は国の光だからね」  誘拐事件の、あの時の子供達だ。吟遊詩人から命を救われた少女はモジモジしながら吟遊詩人に可愛らしい手紙を渡す。それを受け取った吟遊詩人が微笑みながら首を傾げる。 「これを、私に?」 「うん。後で読んでね」 「ああ、有難う。大事に読ませてもらうよ」  少女があからさまに照れている。どうやらあの一件以来、この少女は吟遊詩吟に恋をしてしまったらしい。そうとは知らず吟遊詩人が少女の手紙を本に挟む。 「今日は何をしに?」 「お参りだよ!」 「お参り?」 「うん。もうすぐお正月だからねぇ、みんなじぃじとばぁばのとこ行くの。だからねぇ、その前にネコの神社にお祈りしようかなって」 「ママに内緒でおまんじゅう持ってきた。ネコちゃんにあげるの」 「そう。きっと喜ぶよ」 「うん!」     
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